病気のインフォーム
ミノキシジル中毒
育毛用シャンプーには主成分に「ミノキシジル」が使用されているものが多数あります。この「ミノキシジル」が、実は犬猫では毒性の高い物質であることを知っていますか?
「ミノキシジル」は、元々は血圧を下げる「降圧剤」として開発された薬です。人用に開発されたため、人間では毒性は出にくいです。
しかし、犬猫では代謝の違いから毒性が強く出てしまいます。
ミノキシジルが含まれるシャンプー1滴でも(特に猫で)致死量になってしまうことがわかっています。
(Kathy C. Tater, et al. Topical Minoxidil Exposures and Toxicoses in Dogs and Cats: 211 Cases (2001–2019))
急激な血圧低下によるショック症状で、生死に関わる中毒物質です。
犬猫に当該のシャンプーを使わないことは当たり前ですが、
1.シャンプーをしたあとの手を犬猫になめさせない
2.髪の毛をなめないようにする
3.シャンプーなどが犬猫の口の届かないところに置く
4.浴槽に犬猫が入らないようにする
これらの対策が大切です。
若いのに突然「フラツキ」などの症状が出て、心不全状態の場合にはミノキシジルが疑われます。その場合にはすぐに動物病院へ。可能であれば自宅にあるヘア用品の主成分を確認してみてくださいね。