犬は人間の言葉を理解している?
犬は世界に5億匹、400種類以上いるといわれています。
犬が嗅覚、聴覚などに優れていることはみなさんもご存知でしょう。犬は人間の言葉を理解できるという人もいます。しかし、言葉の意味や内容を理解して行動しているわけではなく、それを単に信号として受けとっているのです。
ここで、ある行動学の本で読んだ、「賢いハンス」という馬の話をお伝えさせていただきましょう。
ハンスは足し算ができることで有名になった馬です。
ハンスの飼い主が「2+2はいくつか」と聞きました。すると、ハンスはひづめで床を4回たたくことができたのです。様々な計算をハンスは行うことができました。
最初のうちは、飼い主が答えを教えているのだろうと思われていましたが、学者たちが調べたところ、まったくインチキは行われていないことがはっきりしたようです。学者たちがためしに「3+4は?」と聞くと、ハンスは床を7回たたくことができました。その時横に立っていた飼い主は、なんの合図もしていませんでした。ところが、学者たちが飼い主に見えないところで問題をだしてみると、ハンスは問題に答えられなかったのです。
その謎解きは簡単だったようです。飼い主の細かい動作に回答がありました。ハンスが床をたたいている間、飼い主は息をひそめて見つめていたのですが、正しい回答のところで、無意識のうちに思わず安堵の息をもらしていたのです。
ハンスは一瞬のうちにそれを感知して、たたくことをやめたのです。つまりハンスは周りの雰囲気を敏感に察知することに長けた馬だったのです。
犬も人間の表情や行為や微妙なしぐさに細心の注意を払っています。また雰囲気から人間の感情まで読み取っているようです。
確かに辛くて悲しいときに愛犬が寄り添ってくれるという話を聞きます。犬が苦手な人はそれが犬にも伝わるという話もありますね。
犬たちは私たちが思っているよりもはるかに私たちのことをよくみているのでしょう。
言葉で話ができない分、私たちも犬の行動や尾の状態、表情から気持ちを理解して、家族としてお互いよりよい関係をつくっていけるといいですね。